退職理由と「うつ病」頻発する 会社の共通点は?

前回の当ブログ記事「36%が回答した、従業員が辞める理由第1位は」と下記のネット記事が奇しくも同じキーワードになっていたので、今日はこれを紹介させていただきたいと思います。

まずは、下記リンクをご一読ください。
(リンクは切れる可能性がありますので、お早めに。)

 
「うつ病」社員が頻発する会社の共通点は?産業医から見た実態 – ダイヤモンド・オンライン
 

年間1,000人の働く人たちと面談する産業医の体験にもとづくお話ですから、重みがあります。

「がんばってね」と「がんばっているね」の違い

「がんばってね」と「がんばっているね」の違い、理解されていましたか?

文字数ではたった2文字の違いですが、言われた人には大きな違いです。そこに気づけるかどうか。思いの外大きな分岐点になりえます。

私の少ない経験のなかでも、「がんばってね」のひと言で心が折れた人たちが複数いました。そのひと言を言われたのがきっかたけで、抑うつ状態になったり、暴力的になったりしていきました。 「がんばってね」 というひと言が人の心を折ってしまうのですね。

それはなぜか。

「がんばってね」は、今の状態ではダメだから、もっとやれの意味。
「がんばっているね」は、あなたは今現在努力しているねという承認の意味。

受け取る側にとっては、まったく逆のメッセージになるというわけです。「こんなにがんばっているのに、これ以上を求められても…!」と、激昂されてしまうのです。

言葉の問題?

こういう話になると、「言葉を言い換えればいいんでしょ?」と言われる方もありますが、それは本質的ではありません。

言葉を置き換えることに焦点を当てるのではなく、自分の視点に意識を向けるのが肝要です。その言葉は、言葉を受け取る人の気持ちを配慮されたものでしょうか。自分の気持ちだけで投げたものではなかったでしょうか。

視点を変えれば、結果として使う言葉が変わるのです。

そうは言ってもどういう言葉が適しているのか分からないという方は、コミュニケーションを円滑にするための掛け声について、 斎藤孝先生がさまざまな著書で繰り返し説明されているので、ぜひ何冊かお手にとってください。参考になると思います。

脳科学者の中野信子先生が夫婦げんかの際にご主人に言われるという「君は疲れているんだね」も、承認の好例でしょう。疲れてイライラしているからけんか腰なんだね、じゃあ、お風呂を入れてきてあげるからゆっくりしておいで…とつながるんだとか。ポイントは、「君は」で始まることです。

実践

この記事を書くにあたって、自分の環境をいろいろ思い返してみたのですが、自然に承認するメッセージを言える人にお目にかかることは少ないですね。もちろん私も、日々鍛錬です。

前回の記事でも書いたように、 私たちの文化は承認することが苦手なのではないかと思うのです。短期間のうちに異なるメディアで同じキーワードが出てくるのも、よくよく不足していて問題の源になっているということではないかと。

「承認」のメッセージ を日常的に使っている・使われているあなた。素晴らしい! ぜひ多くの人の手本になって、 「承認」の輪を広げていただけませんか。お手本になる人と接することが一番だと思いますので。

そんな人いないなと思うあなた。あなたの職場で「承認」のメッセージを言う場面を想像してみてください。「これってダメ出しかも?」「こういうふうに言えば、相手を肯定することになるかな…」と考えることが最初の一歩になるかと思います。第三者評価で伺った時は、ぜひその実践エピソードをお聞かせください。

(W)

今回の記事を合わせてお読みいただくと、より深く理解していただけるかと思います。

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