特養に親を預けることも選択肢のひとつだと伝えたい!

ネット上の記事を見ると、いまだに「高齢者福祉施設=姥捨て山」というイメージを持っている人がいることに驚かされます。しかも、次から次へと出てくるんです。
「おかしいなぁ…特養に足を踏み入れたことがあれば、特養について少しでも見て知っていることがあれば、そこまで悲観しないんじゃないかなー」
と思いました。
当事者(家族を特養に預ける人)の不安を取り除くことはできそうだと思い、noteで記事を書きました。
もし、「在宅こそ至高!」という論調の文章があれば、疑ってかかったほうが良いとさえ思います。
私は、介護保険が導入される前から、在宅医療の現場を見てきました。そのなかで、分かりやすい話をしてくれた医師がいました。
「その家の中に、介護に携わることができる人が7人以上いるのであれば、在宅ケアも選択肢に入れたらいい。核家族でやると、介護者が潰れてしまうことになるから、やめたほうがいい」
東京であれば、介護者7人以上という条件はまずクリアできません。つまり、福祉制度をうまく使って、誰かにしわ寄せがいくような形にならないようにしなくてはいけないよ、という話でした。
とあるケアマネさんが言っていました。
「話を聞くまでもなく、介護者はキャパ以上に頑張っている。倒れる寸前だと想定して、話を聞かないと。多くのまじめな人は『自分がやらないといけない』と思っているんですよ」
本当にそう思います。日本の家族のあり方はこうあるべきだとかつて定義したんでしょうけど、今は時代がまったく違います。
別の事業所の生活相談員さんも言っていました。
「ここに来て! プロに任せて! って声を大にして言いたい」
何回も、いろんな場所で、さまざまな方法で、それを伝えていく必要があるんだなと思っています。
誰も潰さない介護。そんな視点が必要ではないでしょうか。
将来、労働人口が減った時は、その時の取りうる方法を取ればいいんです。
問題は今です。今は施設入所が可能なんです。介護が必要な人、その家族が生活を壊さずに生きていくための選択肢を提示したいなと思ったのでした。
いずれにしても、罪悪感を刺激して人をコントロールしようとする論説には耳を貸さないでほしいですね。