「注意が必要です」

こんにちは、Web担当です。

気になってしまう言い回しのひとつに「注意が必要です」という言葉があります。今日はこの 「注意が必要です」 が効果的ではないと思うという話を、実例を交えてシェアします。

「注意が必要です」という言葉 。多くの方が見たり聞いたりしたことがあるのではないでしょうか。

私の仕事の範疇でまたよく見聞きするようになり、ザワザワっとした違和感を覚えて仕方ありません。

伝えるという目標のために、もっとよい言葉を選びませんか。

重要度が伝わらないモヤモヤ

私が 「注意が必要です」 にモヤっとした結果、何を思うのか。これを最初に説明します。

オブラートを外して言うなら、「それは努力目標なのか? ただ注意すればいいのか? 忘れちゃいけない重要なことなのか? バシッと断定してくれ」ということなのです。

わざわざ言葉にするのだから注意喚起の目的はあるのでしょう。

でも、その重要度や意図が計れなくてモヤモヤするのです。

例1 重要度も意図も伝わらない

私が 「注意が必要です」 という言い回しを初めて見たのは、こんな内容の文章でした。

ホームページという言葉を使う時、あなたは何を指して使いますか。

企業がWeb上に公開しているコンテンツをひとまとめにしたものでしょうか。「○○という企業のホームページで情報を見た」という使い方なのかもしれませんね。

しかし、「ホームページは、コンテンツの集まりではなく、カバーページである単ページを差すものだ」と言う人たちもいます。それを職業にしている人たちです。彼らにとっては、ホームページ=ホームのページなので、コンテンツのまとまりをホームページと言ってしまうと逆鱗に触れることになりかねませんので、注意が必要です。

私がこれを読んだ時、

「注意すべきは、ホームページという言葉? それとも、Web屋さんの逆鱗に触れる触れること?」

と首をひねりました。

注意する対象があいまいです。それに、注意を払えなかったらどうなるのか、不明瞭。注意を怠っても、相手をイラッとさせるくらいの弊害しかありません。(Web屋さんと折衝している場合を除く。)

しかも、この原稿の主題は、Webではありませんでした。主題でないところに注意を求められると、筆者が一番伝えたいことに集中できなくなるのが、一番よくないですね。

例2 聞き流してしまう

11月30日必着と記載されているものに関しましては、当方に11月30日に到着していることが求められ、ご投函された日付が11月30日であっても 11月30日 に届いていない場合は受理されませんので、注意が必要です。

「11月30日必着ですので、間に合うように投函してください」と言えばたった1行で済むのに…と思いました。

実際は耳で聞きましたので、感覚的には結構長いセンテンスに感じました。何となく言葉が頭に入ってきて、最後の「注意が必要です」だけが耳に残りました。「はて、何を注意するんだっけ?」と思っても、肝心なところは聞いていないということになりかねません。

つまり、文章を「注意が必要です」で締めくくると、話し手が重要だと思っている内容は、「注意」した時にはすでに流れた後になってしまうんですね。これでは注意喚起の目的が果たせません。

また、「注意が必要です」で締めくくる文章は、前段も冗長な傾向にあると思います。多すぎる言葉に注意が削がれて、大事なところを注意散漫な状態で聞くことになります。

大事なことが伝わりやすい言い方

大事なことほど、シンプルなフレーズで言い切るほうが伝わりやすいものです。

「これから大事なことを言います。締切日は11月30日。必着です。11月30日に届いていないものは無効になります」

初めに聴衆を引きつける注意喚起。そして、主題。それが果たせなかった場合、どんなデメリットがあるか。

学校の先生が「これ、テストに出るぞー」と言うと生徒が注目するのと、似ていますね。

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そろそろ「そう言うお前の文章が長すぎる」とお叱りを受けそうなので、今日はこの辺で。

(Image by analogicus from Pixabay)

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