【用語解説】評価
評価とは
東京都福祉サービス第三者評価における評価とは何か。
ここでの「評価」には、二つの側面があります。
受審するときに職員全員に記入していただくシートがあります。あれが「自己評価」シート。
「自己評価」では、評価する人は当事者です。
それから、外部組織の人間が行うのが「第三者評価」です。
東京都の第三者評価は、自己評価と第三者評価の二本立ての構造になっているのです。
見下す意味ではありません
かつて、こんなことを言われたことがあります。
「そもそも評価って言葉、嫌いなんですよね。第三者が評価するって、何様なんだっていうか、なんて上から目線なんだって感じがして」
その時の私は、誤解を解くことがうまくできませんでした。今は少しだけ経験も積みましたので、説明してみましょう。
学校や会社において「評価」というのは、成績表や給料につながる成績の良し悪しを判断することです。
悪い評価だけではなく、良い評価もあります。
けして、評価=悪口 でも、見下すというニュアンスでもありません。
PDCAになぞらえてみる
さて、第三者評価における「評価」をもう少し明確にしてみましょう。
フレームワークになぞらえて考えると分かりやすいかと思います。
PDCAであればC(チェック)、Plan-Do-SeeであればSee(見る)が評価と同じ意味です。
要は、実行したことを振り返ってみる、ということです。
給食について、PDCAのフレームで考えてみましょう。
Plan 献立を考える
Do 調理する
Check みんな喜んで食べてくれたかな? 食べにくそうな人はいないかな? とチェックする
Action 献立や味の改善、食形態の適正化を図る
チェックする段階を、事業所の人がやれば「自己評価」、外部の人間がやれば「第三者評価」ということになります。
東京都の第三者評価のこだわり
東京都福祉サービス第三者評価では、同じ設問を、当事者(職員と利用者)と第三者である評価者がチェックする構造になっています。
学校や会社でつけられる成績は一方的に教師や上司といった上の立場の者が下すものですから、違いますね。
東京都の第三者評価は、当事者も同じ項目をチェックし、自分の意見をシートに書きます。
また、フィードバックは職員の方はどなたでも参加していただけるので、評価者の認識が違うと思う場合には、そこで自分の意見を述べることもできます。実際、毎回のようにお話や意見が出てきます。
そして最終的に、事業所の経営者と評価機関の同意が成立してはじめて、評価結果報告書を提出することができるルールになっています。
つまり、双方向コミュニケーションが前提になっている構造であるわけです。
けして一方的に上から見下すものではないと、ご理解いただけたでしょうか。